Touring & Travel diary
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3日目 -父島(港-宮之浜-旭山-中央山-扇浦)
2020年11月28日(Sat)
おがさわら丸は揺れもさほどでなく、快適に眠ることができた。朝食も残っていた食料ですます。
小笠原諸島最北に位置する聟島(むこじま)列島を9時頃に通過する。小笠原諸島は約30の島々からなるが、その大半は無人島である。聟島や嫁島からなる聟島列島も無人島だ。早朝には少し雨も降っていたが、快晴で気持ち良い。
10時半頃に父島の港が見えてきた。この父島とその南にある母島だけが、有人島となっている。父島の人口は約2000人ということだが、人口の割にはこじんまりしている印象を受ける。
ほぼ定刻、11時前に父島へ到着。コロナ対策で定員を減らしていたので快適な船旅だった。
旅行者は事前に宿の予約をして船に乗るルールとなっており、宿の人が必ず港に迎えに来てくれるシステムだ。
妻は13時からオンラインイベントに参加する用事があり、送迎車で宿に直行する。私はトレッキングをし、夕方宿に向かうことにする。
まずは港の正面にある大神山に登る。登山道の植生が南の島に来たことを感じさせてくれる。
大神山の展望台から先ほど到着した小笠原丸が見える。その左には、もう一つの有人島である母島に向かうははじま丸も見えている。
大神山を取り巻くように村は広がっており、裏側は住宅街になっている。パンダナスの実がたくさんなっており、熱帯地方だということがさらに感じられ、うれしくなる。
小さな峠を越えて、島の北側にある宮之浜へ向かう。11月下旬はもう泳ぐには寒いと聞いていたので水着を持ってこなかったのに、ものすごく暑い。30度には達していないと思われるが、十分に泳げる気温だ。案の定、気持ち良さ気に海に入っている人がいる。その後ろを汗をかきながら進み、海上に作られた遊歩道を越え、先に進む。
宮之浜から釣浜への海ぎわに電信山歩道という道が整備されており、その道を歩く。崖が海まで迫っており、道はアップダウンが激しいが、景色は良い。小さな海峡を隔てた先は兄島と呼ばれる無人島となっている。海の透明度は高く、シュノーケリングをしたいところだ。
釣浜は最寄りの駐車場からも離れて、道も険しいので、秘密のビーチという雰囲気がある。人はおらず、流木もたくさん放置されたままだ。
釣浜から長崎展望台までは尾根沿いの道で、日差しを遮るものがなく、かなりきつい。途中、兄島を見ながら昼食代わりのソーセージを食べて一休み。
随分と進んだつもりだが、振り返ると港からまだあまり離れていない。予定のコースを日没まで全部歩くのは難しそうだ。
長崎展望台は車道からすぐで、島内ツアーのルートになっている。小笠原の到着し、すぐに昼食をとって、半日ツアーに出るのが、一般的な観光客の定番だ。13時半、島内ツアーの最初のポイントのようで、次々とガイドに連れられたツアーの人々がやってくる。
この先5キロほどは車道が続く。山道で2度ほど野生のヤギを見かけていたが、すぐに遠くに行ってしまうので写真は撮れず。車道で柵の向こうなので安心していたのか、この時はすぐに逃げず。角が立派で、予想よりも大きいヤギだ。小笠原でまだキャンプが禁止されていなかった50年位前にキャンプした先輩が、「ヤギを捕まえて食べた」と言っていたので、もっとおとなしそうなヤギをイメージしていたのだ。
小笠原は太平洋戦争の時の日本の基地だったので、当時の遺物が各所に残っている。山道にあるこういう穴もその当時のもの。
港や村の中心から見てひときわ高く見えるのが、旭山。標高は267メートルだが、十分に存在感のある山だ。港はまだまだ近い。
旭山の山頂からは宿のある扇浦が初めて見えた。港に比べるとはるか彼方だ。歩き出して3時間、そして道没まであと3時間・・・。ちょっと時間的に無理なコースだったか。
車道に戻り、今までよりは急いで歩く。国立天文台のVERA小笠原観測局は直径20mの電波望遠鏡アンテナだ。見学してみたかったが一般公開はしていなかった。
時間が無くなってきたので初寝浦展望台はパスしようかと思ったが、ツアーの車が3台も止まっていたので、立ち寄る。確かに景色の良い場所で、太平洋戦争時の建物の廃墟なども残っていた。下のほうに見えている初寝浦まで下りる道もあり、そこも行きたかったが、さすがに時間がないだろうと、ここは当初から計画に入れていなかった。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の小笠原追跡所もこの道沿いにある。種子島で打ち上げられるロケットの観測をしている基地だ。
そして父島最高峰の中央山、標高319メートルに登る。小笠原諸島の最高峰は母島にあるので、小笠原最高峰ではない。
最高峰だけあってぐるりと海は見えるが、南に目を凝らしてもは母島は判別できず。扇浦も山影で見えないが、さすがにもう近いはずだ。でも港も結構よく見える。
再び車道に戻り、しばらく進むと、扇浦方面に下る歩道がある。昔の道を整備したものだということだが、ここまでの道に比べて、地面はぐちゃぐちゃだし、道標も少なく、思ったよりも進むのが難しい。
17時10分前、何とか扇浦に到着し、ビーチで一休み。
17時過ぎに宿に到着。どろどろになってしまったので、まずは風呂に入る。そして夕食。扇浦地区に食堂はないので全員が2食付きとなっており、食堂で食べる。運動して腹がすいていたのでパクパク食べた。
南の島らしい食事内容で満足。
Gotoクーポンで買った箱ワインとつまみがあるので、寝る前に部屋で飲みながら、明日の計画を立てる。