Touring & Travel diary
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05晩秋 山陰山陽»
飯南町上赤名-三次-庄原-帝釈峡-東条-鯉ヶ窪湿原 110km
2005年11月04日(Fri)
霧の立ち込める中、7時に出発。旧道で峠越えも考えたが、道が悪いのでR54に戻る。足が冷えている時の峠道は辛く、のんびり、のんびり。トンネルまでテントを張れそうな場所はなく、昨夜は旧道に入ったのは正解。
広島県に入り、走り易い下りの連続で、距離は伸びる。トンネル近辺は交通量が少なく走りやすかったが、街に近付くにつれどんどん交通量が増えてくる。少々登りがあっても裏道が良いかなとも思うが、とりあえず朝の身支度をして水と食料の確保をせねば山道には入れない。道の駅夢ランド布野で朝の身支度。湯原温泉以来体を洗っていないので、そろそろ湯に浸かりたい。しかし、昨日温泉津をあきらめたので、しばらく入れなさそう。寒いが、タオルを濡らし便所で体を拭いた。
三次の手前でR375と合流。5月に走った道を数キロ走り、三次から県道39号に入る。さらに県道185号に入ると車はぐっと少なくなり、ようやくのんびり走れる状況となった。庄原市口和町永田より県道62号。ひょうたんをあちこちに飾った公園を見つけ休憩。長さ世界一のひょうたんを作りギネスブックに載ることを目指しているそうな。
庄原からR183に入ったが、国道にしては交通量が以上に少ない。これなら裏道を縫って走ることもないと喜んだが、国道はバイパスがあったようで、まもなく合流。トラックが多い。そのまま行こうと思っていたが嫌になり、県道26号に入る。帝釈峡に向かう山道だ。帝釈峡に行くなら、庄原から国道を通らず、アップダウンも少なく、距離も短い道があったのに・・・。
標高が上がるにつれて、紅葉がきれいになってきた。ここまでは紅葉していた場所も色が悪く、今年の紅葉はダメだなぁと思っていたのだが、この地域はきれい。特に帝釈峡近くはもみじ並木になっていて最高。
帝釈峡は5月に歩いているので立ち寄らないつもりだったが、道路から見えた紅葉があまりに美しく、つい吸い寄せられるように駐車場へと入ってしまった。本の数人しか訪問者がいなかった雨の5月とは打って変わって、駐車場には車がたくさん停まっており、観光バスもバンバン来ている。帝釈峡は廃れたと5月は思ったが、単にシーズンオフだったということか・・・。しかし、紅葉の時期とはいえ平日にこれほど人が多いとは、想像だにしていなかった。
予定を変えて渓谷の観光をすることにした。5月は下流からで、山道だったが、こちらからは自転車でメインの雄橋まで行けるのだ。入口付近だけでなく、渓谷沿いには赤や黄色に色付いた木々があり、人がこの時期に集まるのも納得。人が多過ぎて、自転車も人と同じスピードでしか進めないことが多い。雄橋でゆっくりし、引き返す。前回は来なかった永明寺辺りを散策し、帝釈峡観光終了。
昨日のミスに懲り、時間は早かったが、東条町で食料と水の確保。良い場所があれば、どこでもテントを張れる体制にして、R182で岡山県方面に進む。
二本松と呼ばれる岡山との県境には、「従是西 備後国」「従是東 備中国」と旧字体で刻んだ石柱があり、昔の国境を再現した木枠があった。岡山側には牧水二本松公園が整備されている。明治40年、当時大学生だった歌人若山牧水が滞在した熊谷屋があり、公園の中には牧水の歌碑がいくつかある。熊谷屋で夕食用の弁当を食べ、もうこの公園にテントを張るかと悩んだが、もうひとがん張りすることに決め、出発。
道の駅鯉ヶ窪でさらに水を補給し、鯉ヶ窪湿原へ向かう。湿原見学は明日朝で良いと思っていたが、良く考えれば毎朝霧が立ち込めているので何とか今日中に見学しようと思い直し、必死で坂を上る。しかし、予想外にきつく中々着かない。最後は登れず、押しになってしまいさらに時間が過ぎてゆき、到着時はもううすぐらかった。
すぐに見学。見学コースは整備されているが、一周2.3キロ。のんびり歩くと途中で真っ暗になるのでかなり早足の見学だ。「日本の太古の自然の姿を保ち続け西の尾瀬とも呼ばれる湿生植物の宝庫」という説明を読み、是非にと来た場所だったが、??? 江戸時代に築造されたため池の周りとそのダムの下が湿原なのに、どこが太古の自然の姿だ? がっかりした。小豆原の埋没林を見てきたばかりで、それから膨らんだイメージが先行していたこともあるが、人造のダムによって出来ている湿原のここで太古の自然はないでしょ。西の尾瀬? 私の大好きな尾瀬はもっともっと素晴らしいところだーーーー。普通に散策できる湿原としては良い場所だが、期待が大きすぎたために肩透かしを食らった気分である。
湿原を出る時にはもう暗かったので、少し戻り、湿原の第2駐車場の裏で幕営する。