Touring & Travel diary
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05晩秋 山陰山陽»
出雲市所原-大田市三瓶町小豆原-大田市三瓶町西の原-来島湖-飯石郡飯南町上赤名 80km
2005年11月03日(Thu)
6時前に起床。こんな朝早くから誰も来る可能性がないと信じていた林の中なのに、ここに下りる階段の入口に車が停まっており、人の話し声が・・・。ゴミの不法投棄にでも悪人が来たかと心配したが、それにしてはいつまでもいる。山の持ち主なら、こんな場所から人が出て来ると嫌だろうから、出難くなった。困っていると雨が降ってきて、雨音で話し声が聞こえなくなった。でも雨中走る気はないので、また寝てしまう。
7時半頃雨が小ぶりになり、人がいないうちにと、まず自転車を国道まで引っ張りあげる。昨夜は階段にあった切られた竹がなくなっている。朝の人はこれを取りに来ていたのだ。出発は8時前、時折小雨がまだ来るが仕方ない。
すぐ近くに河原に降りられる階段があり、魚網が見えた。鳥取県の東郷湖で見た四つ手網と呼ばれるのと同じタイプ。南インドで見たが、そこではチャイニーズネットと呼ばれていたもの。山陰地方には多いのか、この川沿いには、この後も何度か見た。
立久恵峡では自転車を止め、渓谷の遊歩道を周回。ちょうど紅葉が始まっており良い感じだったが、途中でまた雨が降り出した。歩けないほどではなく、カッパは自転車に置いたままなのでそのまま歩く。歩くのにはさほど支障ないが、暗くなって写真が撮りにくい。茶店の屋根が苔むしており、この辺りが雨の多い場所であることが分かり、まあ小雨は仕方ないかとあきらめる。天候は悪いが祭日のために結構人は来ていた。
走行を再開してすぐに見つけた茅葺屋根も苔に覆われていた。見応えあるが、ここでの生活は大変そうだなぁとも思ってしまう。佐田の町で弁当を買い、川辺の公園で昼食。県道281に入ると車も来なくなり、快適に走れる道になった。変わった魚道があるなと思ったら、西日本では2ヶ所目という珍しいらせん状魚道との案内板があった。しかし、ダムが出来て20年以上堰き止めてから付けても、本来の環境にはもう戻らないだろうに・・・。
三瓶山のふもとが峠、この時点ではそのまま下ってしまうことも考えていたので、少し遠かったが三瓶山の写真を撮る。そして今回最大の目的地である小豆原埋没林公園を目指す。縄文時代の巨木が三瓶山の噴火で埋まり、それが発見された場所である。ずっと前に発見されたニュースを見た時に絶対見に行こうと思ったが、その後ずっと忘れていた。2年前に展示公開されたとまたニュースになった。その時もまた“よし行くぞ”と思ったのに、5月にこの辺りに来たときはすっかり忘れており、帰宅してから気づいて後悔。それが再び山陰山陽を走る気になった要因だったのだ。
展示内容については、
公式サイトに詳しいことは載っているのであえて記さないが、多大な期待をもって訪れたのに期待以上の見応えだったので訪問をお勧めします。まあ私は、巨木好き、歴史好き、火山地形好きなので、人によってはつまらないかもしれませんが。
埋没林の見学が終わり、行き先を悩んでしまった。本来は、温泉津まで行って温泉に入り、浜田から山越えし山陽側に戻り、東を目指すのが当初の予定。しかし、カメラの不調でルートを変えたり、雨が降ったりで予定は遅れている。すでに6日目で折り返すべき日なのだ。おまけに週末は大雨で足止めを食らいそうな天気予報。かなり迷ったが、ここで満足してしまったこともあり、無難にここから方向転換で東を目指すことにした。
どうせなら三瓶山を拝んでいこうと西の原を目指したが、これが予想以上の登りが続き大変だった。今回はどの峠でも押すことなく、乗ったまま登れていたので、足が蘇ったなぁなどと自信を深めていたのに、ここでは全然ダメ。延々と自転車を押すことになってしまった。
苦労して着いた西の原は、草原が広がり、その向こうに紅葉した火山がそびえるという、素晴らしい景色。景色で疲れも吹き飛んだ感じであった。ただ家族連れやカップルが非常に多く、私には落ち着けない雰囲気。登りで水筒が空になっていたが、トイレの水をボトルに詰めるのもはばかられた。しかし、どこかで汲めるだろうとそのまま進んだのは間違いだった。
山すそを半周し、R184に合流。そこから南に走る。夕暮れが近付き、良いテント場があれば即露営と行きたい時間と疲れであったが、夕食はおろか水もない。空腹は非常食でなんとかなるが、水がなければ泊まれない。集落のほとんどない山間部が続き、こういう時に限ってテント設営に最適な平らな草地がいくらでもあるのだ。失敗。結局、がんばってR53まで走り、赤名へ。道の駅で水を汲んで、スーパーで弁当とパンを購入。走り出す時はすでに真っ暗だが、町の中心でテントを張るのは河原や公園でもないと難しい。ここの川は小さすぎ河原はなく、良い公園も見つからない。暗いと中々良い場所が見つからないのだ。
国道を走っていても良い場所が全くないので、赤名峠への旧道に入った。道はすぐ未舗装になったので、夜間に車が来ることはまずなさそう。国道の車の音が聞こえなくなるところまで登り、空き地でテントを張った。午前中の雨が信じられないくらい雲ひとつない空で、星空が非常にきれいな夜だった。