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三方五湖-美浜-敦賀-木之本-米原市藤川 90km

2005年09月24日(Sat)
日向湖 完全な私有地にテントを張ったので、いつもより早起きをする。昨日にも増してどんよりした空だが、雨粒は落ちてこない。
 湖畔沿いに戻り、のんびりと進む。湖の展望できる休憩所があり、テントを張れそうな良い場所だったが、6時半なのに地元の人がもう草刈りをしていた。この場所を知っていれば、ここにテントを張っていたところだが・・・。
 昼間は遊覧船の出る水月湖も早朝は静かな湖だった。しかし、小さな峠を越え日向湖に出ると景色は一変。海と繋がったこの湖は漁港になっており、早朝から動いている漁船が多く、釣り客も多い。集落の様子も明石の漁港と似ており、懐かしい感じがした。
 久々湖は、カヌーを漕いでいる子供が大勢おり、レジャー用湖そのもの。三方五湖もそれぞれ特徴があり、おもしろいなぁと思うと同時に、昨夜湖畔を走った三方湖も明るいうちに着きたかったなぁと思った。
 久々湖から続く海水浴場は、広くいくらでもテントを張れそうな感じ。整備された松林の公園にはキャンプ禁止とあったが、砂浜にテントを張っても良かったはず。小浜市辺りの海水浴場もこんなイメージだったのに・・・。
 美浜の中心部を避けようと国道に出ず、県道を走っていたら自転車には無意味な峠があり、失敗。眼下にはほとんど坂のない国道が見える中、必死で登る羽目になってしまったのだ。
 再び海岸に出るとそこにも広々とした砂浜が広がっており、いくらでもテントを張れそう。泳ぐにしても、昨日の小さな海水浴場なんかよりずっと良い。真っ暗になるまで幕営地を見つけられずに苦労した昨夜は・・・、まあ良くあることである。

ダイヤモンドビーチ 直接敦賀市には入らず、敦賀半島を半周するコースに。半島は原子力発電所がある場所だから、交通量は少なくても快適な道が整備されている。真っ白な砂浜の続くダイヤモンドビーチは、トイレやシャワーがいくつもあり、整った海水浴場。オフシーズンに入った今は絶好のキャンプ地で、テントを張っている人もたくさんいた。
 気合を入れ、半島を横切る馬背峠・180mを登りだしたとき、後ろからパトカーがでっかいマイクで「停まれ!」、まただ・・・この坂で停まったら漕ぎ出せない。無視したが、しつこく「停まれー!」。馬鹿ポリスめ! 福井のポリスはやり方が失礼すぎる。頭に来てまた説教をしてしまった。今回は本当に説教で、怒鳴らなかったが・・・。
 馬鹿ポリスのために峠は延々と押し上る羽目になってしまった。ロードバイクでトレーニングに来ている人が何人かおり、軽々と上っていくが、荷物を大量に積んだママチャリにはきつい坂。一旦足から力を抜くともう走れない。
 ちなみに馬背峠の読み方は、「まじょ」、「ましょう」、「まぜ」、わざわざルビを打ったものが3通りもあり、びっくり。どれが正しいのだろう?

気比神社の大鳥居 三保の松原、虹の松原と共に日本三大松原として知られる気比松原(けひのまつばら)到着。松林から海を見ながら、焼酎を飲み、ミックスナッツをポリポリ。今回はここが一番遠い場所と決めていたが、着くのが少し早すぎる。地図を見ながら後半のルートを考えたり、観光客が地引網体験をしている様子を眺めたり、午前中なのに気がついたら酔っていた。
 敦賀のもう一つの見所は、気比神社。鳥居が日本一のサイズと聞いて楽しみにしていたが、あまり大きくなかった。説明を読むと、木造で天下無双の大きさとか。古いものなら石、最近のならコンクリなどでもっと大きいのがあるのだろう。天下無双なら木造で一番のはずだが、実はそうでもないらしい。それに、旧国宝というのも笑える。国宝から格下げになり現在は重要文化財だが、現在の分類より、旧国宝と自慢するなんてはずかしくないのか? 神社側は格下げが不満だったのかなぁ。

小刀根トンネル ルートを決めないまま、R8で滋賀方面に走り出す。峠越えの前に昼食を取らねばとは思ったが、飲みすぎで食欲がなく、行きそびれてしまった。当初はR161に入る予定だったが、関ヶ原の方に行きたくなり、分岐は直進。柳ヶ瀬トンネル方面に行くか、国道をそのまま直進するか、分岐で迷う。連休明けから工事で通行止めとあったので、行ける時にと柳ヶ瀬トンネル方向に道をとった。
 上り坂だが、勾配は一定で順調に乗ったまま進める。少し旧道に入ったところで休んでいると、ロードやマウンテンバイク、ランドナーなど色んな自転車に乗った大グループが本道を上って行った。抜かされないですんだと再出発したところ、すぐにグループの何人かが自販機の前で休憩。抜かしてしまった。50代前後の年配グループのよう。でもママチャリでは当然また抜かされるから先に行きたくはなかった。
 古めいたトンネルが分岐した先にあり、そこに入ると同時に先ほどのグループに抜かされた。トンネルは「小刀根トンネル」。明治14年開通で、現存するものでは日本で3番目に古い鉄道用トンネルらしい。この道は昔の鉄道跡だったのだ。傾斜が一定して走りやすい訳だ。
 最後の杉箸という集落で、この先のトンネル自転車通行止めの看板発見。国道からの分岐よりここまで小一時間も坂を上って来たのに、今になって・・・。ここから戻ると時間も遅くなり、もう一度峠を上るとなるとハンガーノック(空腹になり坂道を上れなくなるチャリダー特有の症状)も心配。サイクリストのことなんて全く考えていないお役所仕事だからこんな場所に看板を出すという神経なのだ。せっかく気分よく走ってきたのに、ムカつく。人の良さそうな年配グループは看板手前で休んでいた。看板を見ればショック受けるだろう。でもベテランぞろいらしかったので、来たことある人もいそう。知っていて突っ込んだかもしれない。それなら突破できるだろう。最悪、ヒッチで自転車も積んでもらおうとバックパッカー的な発想になり、そのままトンネルを目指す。

自転車通行止めの看板(滋賀側) トンネルは長さ1.4キロ。車一台分の幅しかなく、長い信号で交互に入っていくシステムだった。古い単線鉄道のトンネルそのままだから仕方ない。信号待ちをしている車は4、5台、自転車進入禁止の看板を意識的に無視し、車や看板よりも前に自転車を停める。
 トンネルより出てくる自動車が途切れた時点で突っ込もうかと迷ったが、後ろから車が来るのも嫌なので、信号が変わり、同方向の車がすべて入ってからトンネル内へ。すぐに先行車のテールランプが見えなくなり、しばらくして音が消えた。車は抜けてしまったのだろう。静かなうちは良いが、すぐにまた車の音が始まった。信号が変わり、対向車が入ってきたのだ。鉄道用トンネルだっただけあって、退避場所がいくつかある。前方に車のライトが見えた時点ですぐに退避。ぎりぎりまで走ったら車の運転手がびっくりするだろうと遠慮したが、ライトは中々近づかなかった。ドライバーから見つからないよう待避所で小さくなって、やり過ごす。走行再開。しばらくして車の音が消え、抜けたのが分かる。後ろから次の車が入った音が聞こえてきたのと出口が見えてきたのが同時くらい。もう一度退避しても良かったが、なんとかそのままトンネルを抜け得、出口から出てくる車のランプと共にトンネルの写真を撮影。
 逆側では気づかなかったが、こちらには二輪用押しボタン信号が。原チャリ用だろう。これを押せば少し信号間隔が長くなるのだろう。まあ自転車通行止めなら関係なし。
 滋賀県側は通行止めの看板が、国道との分岐にあった。もっとも場所はトンネルを出てすぐ。こちらからなら、素直に迂回しただろうか・・・。ここの国道は今庄に抜ける道で敦賀方面には抜けられない。もっと頭に来ながらトンネルに突っ込んだかな。いずれにしてもおもしろいトンネルを無事通れたので、看板が分岐になかったのもOK。のんびりしていると、年配サイクリストグループも無事トンネルを越え、出てきた。

木之本 ここからは快適な下り道。グループの何人かに抜かされるが、下りだと一瞬なので気にならない。上りで後ろに付かれるのが嫌なのだ。
 余呉湖湖畔で泊まることも考えたが、そのまま下り続ける。遠めに見えていた余呉湖方面にグループは向かった。木之本手前で国道から離れ、旧道へ。木之本の旧市街は宿場町で、良い感じ。観光客は一組、土産物屋もあったが、観光地化はさほど進んでいない。
 R365で関ヶ原を目指す。交通量は多いが、路肩が広く走りやすい。なんと言っても台風の影響で吹きだした追い風が快適。
 浅井町の姉川古戦場で休憩。川はさほどきれいでないが、河原は広く、人目から逃れられそうな植生も多く、この辺でテントを張るかと考えたが、関東方面に向かっている台風の影響で雨が少しは降るかも知れず、こんな日の河原は安眠できない。
 コンビニで弁当とパンを購入。古戦場跡で水も満タンにしたので、良い場所さえあればもうどこでもストップできるとのんびり進む。

作物のない田畑 滋賀と岐阜の県境近くの峠で、林道らしき道に進入。しばらくするときれいな山郷が開け、鹿が数匹、畑に。田畑は放棄され、何も作られていない。でも道は新しい舗装路で、杉林は下枝をきれいに払われ、手入れが行き届いていた。
 人目のつかない杉林でテントを張ろうと決め荷物を一旦降ろしたが、よく見ると鹿の足跡だらけ。さっきの鹿が山中でしつこく警戒の鳴き声を発しているので悪い気になり、止めた。ここは廃屋があるだけで、無人の里。来てから車が全く通らず、人の気配もないので、道から丸見えの、おそらく駐車場であったらしき場所にテントを張った。
 珍しく、明るいうちにのんびり食事。道路の舗装が真新しいが、翌朝出発まで、車は全く来なかった。
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