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上高地

2013年09月22日(Sun)
 妻の名前の由来の場所である上高地に行くことにした。20代の頃に何度も来ていた上高地だが、もう20年以上来ていない。妻にいたっては初めてである。
 できれば現地でキャンプし、ゆっくりしたかったが、3連休とあってバスが取れない。キャンセルが出るのを期待し、何度かオンライン予約サイトを見ていたがダメで、最後まで空席のあった夜行日帰りツアーに参加することにした。
 以前は大阪行きなどの都市間ツアーバスで混沌としていた都庁前バス駐車場が集合場所だが、今年8月の制度改定のおかげか、ほんとうのツアーバスがあるだけ。乗ったバスは半数以上空席があり、思ったよりはよく眠れた。
 バスを乗り換えねばならない沢渡には予定の5時よりも1時間以上早く着いたのに、出発は30分以上遅れ、5時半だ。
 乗用車だけでなく観光バスも規制しているので乗り換えを余儀なくされているが、昔は規制などなかった。しかし、その代りいつも渋滞していたように思う。最後に来たのは80年代後半でバスツアーの添乗員としてだったが、その時は上高地で大渋滞、歩くコースは急遽変更、食事時間も取れなくなって食堂と交渉し弁当にしてもらった記憶がある。また、自転車で来た時には、片道相互通行の釜トンネルが予想外の急坂で死にそうだったのを思い出した。調べてみるとトンネル内の傾斜は15%で日本の道路の基準をはるかに上回っていたようだ。そのトンネルも今は新しいものに変わっている。
 大正池でバスを下車、ここから再集合までの8時間は完全に自由時間である。まずは湖畔に出て、「あれ?」。記憶にある大正池とは風景が全く異なっている。私の心を魅了した白骨林がほとんどなくなっているのだ。今も非常に美しい風景ではあるが、日本で一番美しい景色という記憶だっただけに寂しい。もっとも、カメラの愛好家が列をなしているほど素晴らしい景色に喜んでいる妻に水を差す必要はなく、このことは黙っていた。
大正池
 穂高連峰に朝日が射す美しい風景を堪能し、ふと見ると妻は鴨と戯れていた。
大正池の鴨
 自然研究路を少し歩くと今度は焼岳の美しい河原に出る。ここにあるような枯れ木が以前は大正池に林立し、それを白骨林と呼んでいたのだ。
焼岳
 自然研究路は歩きやすく整備され、朝の涼しさが心地良い。20分ほど歩いた林の中に現れた田代池の水は透明で、そのまま飲めそうなくらいだ。
田代池
 池のそばの田代湿原は枯れた色になっており、秋を感じさせてくれる。
田代湿原
 川の水は支流も本流も本当に澄んでおり、さすが上高地だ。
川
川2
 英国人宣教師だったウェストンは明治半ばの人で、日本の山々、特に上高地の美しさを世界に紹介した人として知られている。「楽しみとしての登山」を日本に浸透させた功労者として、日本山岳会が彼の栄誉を称え1937(昭和12)年にこのレリーフを掲げた。
ウェストンレリーフ
 河童橋近くまで来ると歩いている人が増えてくる。焼岳は徐々に遠のき、穂高の山々が徐々に近づいてくる。
焼岳
 河童橋近くのカフェで朝食をとり、河童橋へ。上高地の中心地だ。
河童橋
 河童橋から右岸の道を少し歩いた辺りから見る岳沢方面の景色が、上高地から見上げる山のイメージそのもの。右手前が明神岳(2931m)、奥の右端が前穂高岳(3090m)、中ほどやや左には北アルプスの最高峰で日本で3番目に高い奥穂高岳(3190m)、左には間ノ岳(2907m)や西穂高岳(2909m)も見える。
アルプスの山々
 遊歩道をさらに遡っていくと以前の大正池を思い出すような枯れた木が林立する場所があり、少しうれしくなる。
白骨林
 歩道はきれいに整備されており、歩いていて楽しくなる道が続く。
木道
 明神池近くの嘉門次小屋では岩魚を囲炉裏で焼いており、人気の店となっていた。食べようかと迷ったが、朝食から時間があまり経っておらず、通り過ぎてしまう。
岩魚
 明神橋の下で川原に降りて一休み。さらに奥へ進むと集合時間が気にしながらとなりそうだったので、ここからUターンし、今度は左岸の道を歩くことにした。
明神橋
 河童橋の手前に泊まろうと思っていた小梨平キャンプ場がある。景色の良い場所にベンチとテーブルがあったので売店で酒とつまみを買ってきて乾杯。
乾杯
 飲んでいた場所があまりに気持ち良いので、キャンプ場の食堂に、食事を持ち出しそこで食べても良いか打診したところ、OK。昼食は嘉門次小屋で食べたくなっていた岩魚定食と名物山賊焼き定食(とお酒のお代わり)。山賊焼きはほとんどの食堂のメニューにあったので初めて食べてみたが美味い。上高地名物というよりも、松本や塩尻辺りの名物らしい。
岩魚定食、山賊焼き定食
 食器を返しに行ったついでに、再びお酒とつまみのお代わり。結局2時間近く酒盛りをしてしまった。
お代わり
 集合時間に近くなり、河童橋付近に戻ってくると朝とは違ってすごい人出。河童橋には鈴なりの人だ。
午後の河童橋
 14時すぎにバスに乗り、帰路に着く。来る時は夜で見られなかった山道が美しく、また懐かしかったので、ほろ酔いなのに眠くはならず。松本市内に降りてきて、ツアーはスーパー銭湯に立ち寄った。ツアーの行程表には温泉としか書いてなかったので、道中にたくさんある温泉によるのかと思いきやスーパー銭湯とは・・・。でもいろんな湯が楽しめる場所で非常に良かった。
林檎の湯屋おぶー
 この後大変な渋滞だったようだが、ほろ酔いで湯にも浸かったのでバスでは良く寝た。しかし、到着予定の20時半が近づいてきてもまだ道半ば。新宿に着いたのは日も変わった0時半、終電は1時間以上前~。仕方ないので朝までカラオケ♪
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