Touring & Travel diary » 列車、バス旅»

Touring & Travel diary

川原湯温泉（群馬県）　日帰り

　本当は泊りがけで信州の温泉行きたかったが、あわただしい年末で時間が取れなくなった。せめて日帰りで温泉にということで、群馬県の吾妻川沿いにある川原湯温泉に昨日行ってきた。

　始発のバスに乗って戸塚駅に、そこから湘南新宿ライナー。一本で高崎まで行けるのだから便利になったものだ。先日初めてこの電車に乗った時はボックスシートの車両があることを知らずにいたが、今回はボックスシートの付いている車両しっかり選んだ。横浜駅で多くの乗客が入れ替わり、ここで窓側の席を確保する。こうなると後は寝るだけ、昨夜も３時間半しか寝ていないので列車内でもよく眠れる。
　高崎で朝ご飯と思って駅ビル内を色々見たが、これといったものがなく、おにぎり購入。私は、コンビニのシーチキンマヨで十分だったが、「その土地の食」にこだわる妻の希望で駅弁屋に入り、舞茸握りや野沢菜握り、竹炭の黒いおにぎりなどを選んだ。しかし、この後で駅構内の立ち食い蕎麦屋を見つけ、蕎麦の朝食となった。
　高崎からは吾妻線で川原湯温泉に向かう。あと２駅のところまで景色を見ていたのに寝てしまい、もう少しで乗り過ごすところだった。１８切符シーズンの連休だというのにここで下車したのは数人である。

　歩き始めてまず目立ったのが、巨大な橋の工事。

　この川原湯温泉はもうすぐ湖底に沈む運命だ。政権をとった民主党マニフェストによって工事中止が決定しながら、政策のぶれる民主党政権らしく、最終的に工事再開となったことで有名になったのが八ッ場ダム。ダム完成で沈むのがここだ。谷の両側に分かれる村人の移転先を結ぶための橋が、この巨大な橋である。

　川原湯温泉での目的地は、聖天様露天風呂。混浴露天風呂で、JRの駅から歩いて行ける場所はそう多くはない。どうせなら行くなら露天風呂が良いし、せっかく夫婦で行くなら混浴の方がと選んだのがここ。

　坂の上の小屋が脱衣所で、その向こうに湯船がある。最近写真のトラブルがあったと先に入っていた常連さんが話していたので、湯船の写真はなし。脱衣所が湯船の真正面で男女一緒なので女性にはちと厳しいかもしれないが、この構造なら盗難の心配をしなくて済むのでありがたい。湯船から見える森は趣があり、カケスなども来ていた。時にはカモシカなども来るという。本当は雪景色が見たかったが、今日は快晴。数日前に降った雪は少し残ってはいた。

　源泉からの湯は温度約８０度、これでは熱すぎて入れないので、ホースから水道水が流れてくる。両方とも水量の調整が可能なので、湯温は自由に調整できる。この湯を使って温泉卵を作ることもできる。我々は家から生卵を持ってきており、作ったが、これが絶品！　作り方は色々あるらしく、常連さん同士でよく議論するとか。我々が教えてもらったやり方は、冷水にまず５分ほど卵を浸けてなじませた後、熱い湯に１８分間浸けるというもの。夏は１５分で良いらしい。時間がかかるなぁと思ったが、温泉が気持ちよく、相客との話も楽しい。いくらでも浸かっていられるので、３０分くらいなんてあっという間だ。我々は都合２時間半ほどこの温泉に入っており、出たのは１時半である。高崎で買ったおにぎりと温泉卵がなかったら空腹でこんなには入っていられなかったはず。

　露天風呂からから少し登ったところにこの聖天様が祭ってある。木の形から分かると思うが、聖天様は夫婦円満や子授けの神、思わず真剣に祈ってしまった。

　
　ダムに沈む温泉街はすでに移転が始まっており、非常に寂れている。昔、移転が進む岐阜県徳山村を訪れて非常に寂しい思いをしたことを思い出してしまった。３連休だというのに営業している（ように見えた）旅館はこの山木館のみ。聖天様露天風呂と並んで日帰り湯として知られる共同浴場の王湯は、客の出入りもあり、にぎやか。ここにも人気の露天風呂があるが混浴ではない。聖天様露天風呂の雰囲気で妻が入れなさそうだったらここに入る予定にしていた場所だ。そこから少し上がったところにあるのが、新源泉。ダムに沈まない場所でボーリングをして掘り当てたもので、ダムが完成すればここが川原温泉の源泉となる。足湯と温泉卵造り場がすでに整備されている。



　温泉街は寂れすぎで、食事処はみな閉まっていたので予定よりも少し早い列車で高崎に戻る。高崎で駅弁やおつまみ、缶酎ハイなどを買い込んで湘南新宿ライナーに。美味しく飲み食いした後は、またうつらうつら、気がついたら横浜まで帰ってきていた。